
食品メーカーに興味があるのですが、たくさん会社があって決められないです…

食品業界は「食」に関する幅広い商品を製造・販売しています。
取り扱う商品によって業界が分かれるのでそれぞれの特徴などを確認してみましょう!
食品業界とは
食品業界の企業は、加工食品(パンや菓子、即席麺、冷凍食品、レトルト食品など)、食品原料(調味料や油、小麦粉など)、清涼飲料水、アルコール飲料などを製造・販売しています。
食品業界は、食品を製造する業界なので「メーカー業界」に分類されます。
私たちが生きていくために必要不可欠な「食」を取り扱う業界のため、不況に強い産業とされています。
食品業界の市場規模・動向
2022年の食品製造業の売上高は45兆4120億円(前年比9.1%増)、営業利益は8,991億円(前年比25.7%減)で、製造業の中では輸送用機械、化学に次いで3番目に高い額です(出典:財務省「令和4年度 法人企業統計調査」)。
生活に必要不可欠な食品を製造することもあり、食品業界の市場規模は非常に大きいことがわかります。
新型コロナで大きな打撃を受けましたが、飲食店の正常化や自粛の緩和などから、業界全体としては回復傾向にあります。
一方で、原油高や円安などから原材料の高騰による値上げが続いているため、各企業は値上げによる消費者離れの対応や、原料高分の価格転嫁を急いでいます。
食品業界の種類
食品業界は、加工食品(パンや菓子、即席麺、冷凍食品、レトルト食品など)、食材(調味料や油、小麦粉など)、食肉(ハムやソーセージなど)、飲料(清涼飲料水やコーヒーなど)、酒類(ビールやワインなど)の5つに分類することができます。

それぞれの特徴などを詳しく見ていきましょう!
① 加工食品
加工食品の企業では製パン、菓子、即席めん、冷凍食品、レトルト食品などの加工食品を製造・販売しています。
材料となる食材を商社や農家から買い付け、商品に加工して小売店やスーパーなどを通じて消費者に販売しています。
加工食品業界の動向(現状・今後)
1.値上げラッシュが続く
2021年後半から原油高やウクライナ情勢、円安などの影響から原材料高となり、各社は値上げを実施しています。
マヨネーズや冷凍食品など多くの商品で値上げを実施しましたが、コストを吸収できず、減益となった企業は少なくありません。
2023年以降は原料高に加えて電気代や人件費の上昇もあり、今後も値上げラッシュは続くことが予想されます。
2.プライベートブランドの浸蝕が進む
2021年頃からプライベートブランド(PB)の浸蝕が加速しています。
プライベートブランド(PB)は、本来自分たちでは商品を生産しない業態のスーパーなどの小売店が独自に製造している商品のこと(メーカーと共同して製造することもあります)で、メーカーのブランドであるナショナルブランド(NB)より安価で販売されることが特徴です。
このような安価なPBの浸蝕が進むことで、NBの販売力低下につながる可能性が懸念されています。
さらに、大手スーパーのイオンや地方スーパーがPBの価格据え置きを発表したことで、NBとの価格差が拡大しています。
PBの価格据え置きとなると、PBの製造を受託するメーカーは原材料高を販売価格に転嫁できなくなるため、コストを自社負担しなければならなくなります。
そのため、受託を断りたいところではありますが、PBの受託を断れば競合他社に受注を奪われることになるため、コスト高を一部を自社で負担している現状があります。
3.家庭用冷凍食品の売り上げが好調
これまで、冷凍食品の販売は業務用冷凍食品が家庭用冷凍食品を上回っていました。
しかし、新型コロナで外食需要の落ち込みにより業務用冷凍食品の需要が減少し、家庭用冷凍食品の需要が拡大しました。
2020年の業務用冷凍食品の販売金額は327,8億82万円で、家庭用冷凍食品は372,6億12万円と、家庭用冷凍食品が業務用冷凍食品を上回りました(出典:一般社団法人日本冷凍食協会「令和4年(1月~12月)冷凍食品の生産・消費について(速報)」)。
この勢いは止まらず、2023年も家庭用冷凍食品が業務用冷凍食品の販売金額を上回っています。
今後も、コンビニなどでも冷凍食品の取り扱いが増加傾向であることなどから、この流れは続くことが予想されます。
加工食品業界を代表する企業
②食材
食材の企業では、料理に使う調味料や油、小麦粉などの食品原料を製造・販売しています。
主に大豆や菜種、ごまなどの植物性油や油脂加工品の製油(油)、小麦粉製造などの製粉、サトウキビなどで製糖(砂糖)を手がけます。
食材業界の動向(現状・今後)
1.輸入価格の高騰により原材料高
ロシアによるウクライナ侵攻などにより、小麦や大豆、トウモロコシ、菜種などの原材料の輸入価格が高騰が重荷となっています。
日本では、油脂原料をほぼ全量を海外から輸入しているため輸入価格の高騰は業界への影響は大きくなります。
植物油の原料となる大豆や菜種などの油脂原料の輸入単価は、2020年から2023年にかけて約2倍にまで高騰しています(出典:農林水産省「令和4年農林水産物輸出入概況」)。
また、輸入小麦価格は近年5万円台で推移していましたが、2022年4月に7万2530円をつけ、これは過去2番目に高い高水準です。
各社は輸入価格の高騰に対応するため、製品価格への転嫁や、付加価値製品の開発に注力しています。
2.海外での事業展開の強化がカギ
国内は人口減などから需要が成熟しているため、大手各社は海外での事業展開強化を図っています。
輸入品が多い食材業界では、天候不順や円安などの影響を受けやすく、原材料高が懸念材料となっています。
このような状況下で、減益となっている企業も多い一方で、海外での事業拡大に力を入れて増益となる企業も存在します。
大手、日清オイリオグループは、海外の売上の牽引により、2023年3月期の純利益が過去最高を更新しました。
今後は、海外での事業展開の強化が必要となります。
食材業界を代表する企業
③食肉
食肉業界では、食肉の生産や卸売り、ハムやソーセージなどの食肉加工品を製造・販売しています。
食肉業界の動向(現状・今後)
1.肉の消費量は増加傾向
国内の人口が減少しているにもかかわらず、タンパク質を積極的に摂取しようとする風潮もあり、1人当たりの肉消費量は増加傾向が続いています。
2022年度の肉消費量は650万8千トンで、内訳は豚肉265万トンで一番多く、次いで鶏肉255万4千トン、牛肉125万9千トンでした(出典:農林水産省「令和4年度食料需給表」)。
今後はインバウンド消費の回復が予想され、外食向けの食肉需要が増加し、肉の消費量は増加傾向が見込まれます。
2.コスト高の価格転嫁が課題
円安、飼料価格、光熱費の高騰などのさまざまな影響から、コスト高が続いているため、コスト増分の価格転嫁が課題となります。
値上げによる消費者離れを防ぐため、値上げの実施に後ろ向きでしたが、ウクライナ侵攻や急激な円安などを受けて、各社は値上げを実施しました。
しかし、食肉業界はもともと価格競争が激しい業界であり、値上げ実施後も、すべてのコスト増分の価格転嫁は難しい状況にあります。
今後はコスト高の価格転嫁に対応するため、各社で付加価値商品の開発や生産効率化が必要になります。
3.植物肉・培養肉への関心が高まる
近年、健康志向や動物保護の高まりから、世界的に「植物肉」と「培養肉」への関心が高まっています。
植物肉は、大豆などの植物性の材料で作られる人工肉のことで、培養肉は動物から採取した細胞を培養して作られます。
シード・プランニングの調査結果によると、日本の植物由来の代替肉の市場は2020年に346億円に到達し、2030年には780億円規模にまで拡大すると予測されています(出典:SEED PLANNINGホームページ)。
植物肉と培養肉は、世界各国で研究・開発が進んでいて、特に大豆肉などの植物由来肉は培養肉に比べて開発が容易なため、国内大手では開発、販売が進んでいます。
今後は大手に限らず、食肉企業の多くが植物肉・培養肉市場への参入が進むことが予想されます。
食肉業界を代表する企業
④飲料・乳業
飲料・乳業界では、水やお茶、炭酸飲料、コーヒーなどの清涼飲料水や乳飲料を製造・販売しています。
主に、コンビニやスーパーなどの小売店、自動販売機を経由して販売します。
飲料・乳業界の動向(現状・今後)
1.ペットボトルに続き、缶製品の値上げが実施
ペットボトルや砂糖などの原材料高騰の影響を受け、各社は2022年にペットボトル製品の値上げを実施しました。
原材料高の勢いは止まらず、2023年は約25年ぶりに各飲料メーカーが一斉に「缶製品」の値上げに踏み切りました。
各社は値上げによる消費者離れから販売数量の減少を懸念しています。
世界情勢やエネルギー価格の上昇などの影響により、今後も原材料高は続くことが予想されるため、各社は原材料高分の価格転嫁や利益率の改善を急ぎます。
2.自動販売機台数の減少が続く
飲料・乳業界では、コンビニよりも粗利(販売価格から原価を差し引いた値段)の率が高い、自動販売機での販売が稼ぎ頭となります。
2022年度の飲料自販機の普及台数については、199万4,000台(対前年度比99.7%)とほぼ横ばいで推移しました(出典:一般社団法人日本自動販売システム機械工業会「2022年度自動販売機普及台数」)。
しかし、近年はコンビニ等との競争が激しく、2013年度の220万台を超えていたころからすると、年々減少傾向が続いています。
原材料高が続く飲料メーカーでは、粗利の高い自動販売機の売り上げをどう伸ばすかがカギとなりそうです。
3.機能性表示食品の需要が拡大
健康志向が追い風となり、機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)の需要が拡大しています。
テレビやネット上で話題となった「ヤクルト1000」は2022年に引き続き、供給不足になるほどの人気で、2024年も販売数増を予定しています。
乳酸菌飲料を中心に
近年の飲料・乳業界では、体脂肪、血圧、ストレス緩和、記憶対策など飲料の機能が多様化されてきているので、各社は更なる付加価値商品の開発が求められます。
飲料・乳業界を代表する企業
⑤酒類
酒類業界の企業は、ビールやワイン、日本酒、焼酎などのアルコール飲料を製造・販売します。
酒類業界の動向(現状・今後)
1.家庭用は回復傾向、業務用は酒税改正に懸念
家庭用酒類では、2022年10月に約14ぶりの値上げを実施したことで一時的に需要が落ち込みましたが、足元では回復傾向にあります。
一方、業務用酒税は新型コロナの影響で販売量が大幅に落ち込みましたが、2022年以降は飲食店の営業が正常化したこともあり、業務用酒類の販売量は回復傾向にあります。
しかし、2023年10月に酒税改正に合わせて、各社はビールを中心とした業務用酒類の値上げを実施する予定であり、回復傾向にある需要が減少に転じることを懸念しています。
2.酒類消費量は減少傾向
国内では健康志向や若者の酒離れなどにより、酒類消費量は減少傾向にあります。
1996年の9,657千㎘をピークに年々減少していて、2021年度はピークから約20%減の7,721千㎘まで減少しました(出典:国税庁「酒のしおり」)。
アルコール需要は減少傾向にある一方で、ノンアルコール飲料の需要は伸びています。
各社はノンアルコール飲料の新商品に力を入れていて、今後も健康志向の高まりからもノンアル市場の拡大は続きそうです。
3.酒類以外の事業で収益化が進む
人口減少や酒離れなどの影響により、国内の酒類市場が縮小していることを受け、大手酒類メーカーは、酒類事業以外の事業で収益化を図っています。
キリンホールディングスは、海外と医薬品事業も展開し、医薬品事業の利益は年間利益の約30%を占めています。
他にも、サッポロホールディングスは不動産事業、アサヒグループホールディングスは海外事業などを展開していて、酒類事業以外での収益化を進めています。
国内では人口減少から市場縮小は続くことが予想されるため、今後は各社が他事業への参入していく流れも予想されます。
酒類業界を代表する企業
食品業界の主な募集職種
食品業界では、主に以下の職種を募集しています。
それぞれ確認していきましょう。
① 営業
食品業界の取引先であるスーパーやコンビニエンスストアなどの小売店に自社商品を売り込む業務がメインとなります。
商品説明や問題点の解決、契約、アフターフォローなど行い、自社商品の売り込みから取引先の疑問を解消、購買まで持っていきます。
また、自社の売上をアップさせるために、キャンペーンなどの企画も行います。
スーパーでは地方特性に合った商品陳列の提案やPOPの設置などを行うこともあります。
② マーケティング
市場の動向を調査・分析し、商品の販売戦略を立てたり、新商品の開発や既存商品のリニューアルを考案します。
調査・分析を通して得た情報を基にどのようなターゲットに売っていくかを検討していきます。
また、自社商品の魅力を消費者に伝え、購買意欲をかき立てるようキャンペーンの企画・立案なども行います。
③ 広報
自社商品や企業のイメージアップ、認知度を上げるための情報を世の中に配信します。
近年はSNSなどを利用して情報を配信することが多くなっています。
また、マスコミや消費者からの問い合わせに対応することもあります。
④ 商品開発
市場のニーズや社会の動きを読み、原料の選定、試食・試飲を繰り返して商品コンセプトに合うものを作り上げます。
コストの調整なども行いながら食品原料等の配合を考え、製造現場でのテストを繰り返します。
商品コンセプトに合うものが完成するまで、試行錯誤や作業を繰り返すといった忍耐力が必要となる職種です。
商品開発になるために必須となる資格はありません。しかし、「食品衛生管理者」「栄養士・管理栄養士」「調理師」「野菜ソムリエ」「フードアナリスト」などの資格を持っていると有利になります。
⑤ 品質管理
商品の安全や品質を保つため、食品の検査や分析、工場内の衛生管理などを行います。
自社工場などで製造している製品の細菌検査や食品中成分をみる理化学検査、味や香りなどをみる官能検査などを行います。
消費者からのクレームの原因を究明するための調査も担当し、異物混入などの苦情があった場合に発生原因の解明と対策を行います。
品質管理になるために必須となる資格はありません。しかし、「管理栄養士」「食品衛生管理者」「食品表示管理士検定」などの資格を持っていると有利です。
食品業界の企業にエントリーする
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① マイナビ

| 求人数 | 約29,000件 ※2023年5月時点 |
| 対応地域 | 全国 |
| 利用料金 | 無料 |
| 運営会社 | 株式会社マイナビ |
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② リクナビ

| 求人数 | 約12,000件 ※2023年5月時点 |
| 対応地域 | 全国 |
| 利用料金 | 無料 |
| 運営会社 | 株式会社リクルート |
リクナビは全国の企業情報、説明会情報、イベント(合同説明会やインターンシップなど)情報を掲
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③ あさがくナビ

| 求人数 | 約12,000件 ※2023年5月時点 |
| 対応地域 | 全国 |
| 利用料金 | 無料 |
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